イベント・琉球の富を探る、茶の湯のひととき
2025.07.31
沖縄・琉球の伝統文化が、今もこうして紅型を通して伝わっていることに、私は日々深い感謝の気持ちを抱いています。
紅型という手仕事の世界は、地味でコツコツとした作業の積み重ねです。けれどそのなかに、沖縄の自然の色、海や風、そして人と人のつながりが確かに息づいています。型紙一枚一枚に込められた想いや、色を重ねる職人の技、みんなの手を通して生まれる布の表情。そうした小さな“手仕事”が積み重なって、今も紅型は生きた文化として息づいているのだと思います。
このたび、そんな紅型や琉球文化をより多くの方に体験していただく機会として、特別イベントを開催する運びとなりました。
このイベントは、沖縄と東京の二か所で開催いたします。沖縄は紅型の生まれ故郷、そして東京はさまざまな方々に沖縄文化を知っていただく新たな拠点となります。どちらの会場でも、きっと新しい出会いや発見が生まれることでしょう。
また、直接ご来場いただいた皆様には、紅型工房の日常やものづくりの現場について、普段はなかなか見られない写真や資料もご覧いただけるよう準備しています。イベントを通して、少しでも多くの方に「沖縄の手しごと」や「琉球の美意識」に触れていただき、日々の暮らしの中で小さな彩りや温もりを感じていただけたら、これ以上の喜びはありません。
今回の企画は、紅型の魅力をより広く伝えるだけでなく、皆さん一人ひとりの「つながり」を感じられる場にしたいと考えています。会場でお会いできることを、心より楽しみにしております。
ぜひこの機会に、紅型や琉球文化の奥深さ、人と人との絆を、体験しにいらしてください。
皆さまのご来場を、心よりお待ち申し上げております。以下ご案内です。
琉球の富を探る、茶の湯のひととき
—— 紅型・音楽・舞踊・茶、五感でめぐる沖縄の美と心 ——
この秋、沖縄と東京で特別なイベント「琉球の富を探る、茶の湯のひととき」を開催いたします。
紅型、茶道、琉球古典音楽、琉球舞踊——
それぞれの分野で活躍する沖縄ゆかりの表現者たちが集い、
“琉球の豊かさ”とは何か、過去から未来へ受け継がれる美意識や知恵、
そして今ここに生きる手しごとと心のかたちを、五感で味わうひとときをご用意します。
当日は、紅型作家・城間栄市による作品解説やトーク、
茶道・北島宗利による点前、琉球古典音楽(よなは徹・城間勇紀・城間あずき)、
琉球舞踊(真境名由佳子・福田えり)による特別なパフォーマンスをお楽しみいただけます。
お茶とお菓子をいただきながら、
目で、耳で、そして心で沖縄の歴史や文化、現代の息吹を体感しませんか。
【沖縄会場】
■日時:2025年9月23日(火) 14:00開場/14:30開始
■会場:城間紅型ギャラリー
■会費:5,000円(お茶・お菓子付き)
■ご予約:070-3800-0470(マジキナ)
【東京会場】
■日時:2025年9月27日(土)
1席目 10:30開場/11:00開始
2席目 14:30開場/15:00開始
■会場:世田谷区大原 旧柳澤邸(teaceremony-tokyo.com)
■会費:6,000円(お茶・お菓子付き)
■ご予約:gigeijyuku@gmail.com
本イベントはどちらも、予約制・少人数での開催となります。
沖縄の伝統芸能と茶の湯が交差する、一期一会の特別な時間。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。




公式ホームページでは、紅型の歴史や伝統、私自身の制作にかける思いなどを、やや丁寧に、文化的な視点も交えながら発信しています。一方でInstagramでは、職人の日常や工房のちょっとした風景、沖縄の光や緑の中に息づく“暮らしに根ざした紅型”の表情を気軽に紹介しています。たとえば、朝の染料作りの様子や、工房の裏庭で揺れる福木の葉っぱ、時には染めたての布を空にかざした一瞬の写真など、ものづくりの空気感を身近に感じていただける内容を心がけています。
紅型は決して遠い伝統ではなく、今を生きる私たちの日々とともにあるものです。これからも新しい挑戦と日々の積み重ねを大切にしながら、沖縄の染め物文化の魅力を発信し続けていきたいと思います。ぜひInstagramものぞいていただき、工房の日常や沖縄の彩りを一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。

城間栄市 プロフィール昭和52年(1977年)、沖縄県生まれ。
城間びんがた工房十五代・城間栄順の長男として育つ。
学歴・海外研修
- 平成15年(2003年)より2年間、インドネシア・ジョグジャカルタ特別州に滞在し、バティック(ろうけつ染)を学ぶ。
- 帰国後は城間びんがた工房にて、琉球びんがたの制作・指導に専念。
受賞・展覧会歴
- 平成24年:西部工芸展 福岡市長賞 受賞
- 平成25年:沖展 正会員に推挙
- 平成26年:西部工芸展 奨励賞 受賞
- 平成27年:日本工芸会 新人賞を受賞し、正会員に推挙
- 令和3年:西部工芸展 沖縄タイムス社賞 受賞
- 令和4年:MOA美術館 岡田茂吉賞 大賞 受賞
- 令和5年:西部工芸展 西部支部長賞 受賞
主な出展
- 「ポケモン工芸展」に出展
- 文化庁主催「日中韓芸術祭」に出展
- 令和6年:文化庁「技を極める」展に出展
現在の役職・活動
- 城間びんがた工房 十六代 代表
- 日本工芸会 正会員
- 沖展(沖縄タイムス社主催公募展)染色部門 審査員
- 沖縄県立芸術大学 非常勤講師
プロフィール概要
はじめまして。城間びんがた工房16代目の城間栄市です。私は1977年、十五代・城間栄順の長男として沖縄に生まれ、幼いころから紅型の仕事に親しみながら育ちました。工房に入った後は父のもとで修行を重ねつつ、沖縄県芸術祭「沖展」に初入選したことをきっかけに本格的に紅型作家として歩み始めました。
これまでの道のりの中で、沖展賞や日本工芸会の新人賞、西部伝統工芸展での沖縄タイムス社賞・西部支部長賞、そしてMOA美術館の岡田茂吉賞大賞など、さまざまな賞をいただくことができました。また、沖展の正会員や日本工芸会の正会員として活動しながら、審査員として後進の作品にも向き合う立場も経験しています。
私自身の制作で特に印象に残っているのは、「波の歌」という紅型着物の作品です。これは沖縄の海を泳ぐ生き物たちの姿を、藍型を基調とした布に躍動感をもって表現したものです。伝統の技法を守りつつ、そこに自分なりの視点や工夫を重ねることで、新しい紅型の可能性を切り拓きたいという思いが込められています。こうした活動を通して、紅型が沖縄の誇る伝統工芸であるだけでなく、日本、そして世界に発信できるアートであると感じています。
20代の頃にはアジア各地を巡り、2003年から2年間はインドネシア・ジョグジャカルタでバティック(ろうけつ染)を学びました。現地での生活や工芸の現場を通して、異文化の技術や感性にふれ、自分自身の紅型への向き合い方にも大きな影響を受けました。伝統を守るだけでなく、常に新しい刺激や発見を大切にしています。
最近では、「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」など、世界を巡回する企画展にも参加する機会が増えてきました。紅型の技法でポケモンを表現するというチャレンジは、私自身にとっても大きな刺激となりましたし、沖縄の紅型が海外のお客様にも響く可能性を感じています。
メディアにも多く取り上げていただくようになりました。テレビや新聞、ウェブメディアで工房の日常や制作現場が紹介されるたびに、「300年前と変わらない手仕事」に込めた想いを、多くの方に伝えたいと強く思います。