「紅型とともに迎える新しい1年」【工房時間】

城間紅型工房 新年のご挨拶 2025


明けましておめでとうございます
新年明けましておめでとうございます。
城間紅型工房を代表し、2025年も皆さまに琉球紅型の美しさと魅力をお届けできるよう、職人一同努めてまいります。本年もどうぞよろしくお願いいたします。


私たちの経営理念

城間紅型工房は、300年続く伝統を未来へ紡ぐ使命を胸に、「ものづくりを通して琉球の思いを守り、仕事を通して心と財布を豊かにし、未来の沖縄を守る」という経営理念のもと活動しています。

現代では、材料や道具の調達が難しくなり、ものづくりの環境自体が大きく変化しています。そんな中、沖縄らしい豊かさとは何か伝統を守りながら新しい価値をどう創造するのか――こうした課題に真摯に向き合う1年にしたいと思っています。変化の激しい世の中だからこそ、沖縄が大切にすべき価値観や文化を日々探求し、皆さまにお届けできるよう努力を重ねていきます。


個人的な決意と抱負

今年は、私自身にとって特別な年でもあります。私は蛇年生まれで、今年48歳を迎えます。この年齢をひとつの節目と捉え、自分のペースで少しずつ成長し、できることを増やしていきたいと考えています。琉球文化や伝統工芸としての紅型染めを、さらに多くの方に知っていただけるよう、発信活動も続けていきます。

日々の忙しさに追われがちな工房の中で、このような挨拶や発信が皆さまとの大切な繋がりをつくっていると感じています。今年もどうぞ暖かく見守っていただければ幸いです。


未来へ向けて

2025年も、琉球紅型の伝統を次の世代に繋ぎながら、皆さまに喜んでいただけるものづくりを続けてまいります。皆さまにとっても素晴らしい1年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

最後になりましたが、もし私たちの活動や琉球紅型にご興味を持っていただけましたら、Instagramや公式LINEにぜひご登録ください。フォローや登録を通じて、私たちのものづくりの裏側やイベント情報をいち早くお届けいたします。応援していただけることが、私たちにとって何よりの励みです。どうぞよろしくお願いいたします!

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

城間紅型工房
代表 城間

城間栄市プロフィール 

紅型に、時間と祈りを宿す

私は紅型を、単なる染色技法ではなく、
沖縄という土地で積み重ねられてきた時間や祈り、
そして暮らしの感覚を受け止める「文化の器」だと捉えています。

布に色を置くという行為の奥には、
自然へのまなざし、人への想い、
そして生き方そのものが静かに重なっています。
その感覚を、できるだけ正直に、今の時代の言葉と形で手渡していくこと。
それが、私が紅型と向き合い続ける理由です。


生い立ちと紅型との距離

1977年、沖縄県生まれ。
城間びんがた工房十五代・城間栄順の長男として育ちました。

幼い頃から、工房は日常の延長線上にありました。
染料の匂い、布を干す風景、
職人たちの背中や交わされる何気ない会話。
それらは特別なものというより、生活の一部として、自然に身の回りにありました。

本格的に工房に入り、父のもとで修行を始めたのは、
沖縄県芸術祭「沖展」への初入選をきっかけとしています。
紅型を「受け継ぐもの」としてではなく、
自分自身の人生として引き受ける覚悟が、
そのとき初めて定まったように思います。


外の世界で学んだこと

2003年からの約2年間、
インドネシア・ジョグジャカルタに滞在し、
バティック(ろうけつ染)を学びました。

異なる気候、異なる宗教観、異なる生活のリズム。
その中で工芸がどのように根づき、人々の暮らしと結びついているのかを、
現地での生活を通して体感しました。

この経験は、
「伝統を守ること」と「変化を受け入れること」は、
決して相反するものではない、
という確信を私にもたらしました。


受賞・出展についての考え方

これまで、沖展、日本工芸会、西部伝統工芸展、
MOA美術館岡田茂吉賞など、
いくつかの評価や賞をいただいてきました。
また、文化庁主催の展覧会や、
「ポケモン工芸展」など、国内外に向けた企画展にも参加する機会を得ています。

こうした節目を迎えるたびに、
私自身の評価以上に、
紅型という存在を知ってもらう機会が広がっていくことに、
大きな喜びを感じています。

一つの作品が、
「沖縄にはこういう染め物があるのですね」
という小さな気づきにつながる。
その積み重ねこそが、紅型の未来を静かに支えていくのだと感じています。


制作について

制作では、伝統的な技法を大切にしながらも、
その時代、その感覚にしか生まれない表現を探り続けています。

代表作の一つである紅型着物《波の歌》では、
沖縄の海を泳ぐ生き物たちの姿を、
藍色を基調に、リズムと奥行きを意識して表現しました。

新しさを声高に主張するのではなく、
布に触れた人が、
どこか懐かしさや安心感を覚えるような仕事を目指しています。


今、そしてこれから

現在は、
城間びんがた工房十六代代表として制作を行いながら、
日本工芸会正会員、沖展染色部門審査員、
沖縄県立芸術大学非常勤講師としても活動しています。

これらの役割もまた、
紅型を「閉じた世界」に留めず、
次の世代や、まだ出会っていない人たちへと
静かにつないでいくための一つの手段だと考えています。

これからも、
展覧会やさまざまな協働を通して、
紅型という文化に触れる“入り口”を、少しずつ増やしていきたい。
それは広げるためというより、
必要な場所に、必要なかたちで、そっと灯りを置いていく
そんな感覚に近いものです。


おわりに

公式ホームページでは、
紅型の歴史や背景、制作に込めた考えを、
少し丁寧に言葉にして残しています。

Instagramでは、
職人の日常や工房の空気、
沖縄の光や緑の中で息づく紅型の表情を、
より身近な距離感でお伝えしています。

どちらも、紅型を「特別なもの」にするためではなく、
今を生きる私たちの暮らしと、
静かにつながる存在として感じていただくためのものです。

この場所を訪れてくださったことが、
紅型との、ささやかな出会いとなれば幸いです。

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