🌺 城間びんがた工房 職人募集のお知らせ

🌿 城間びんがた工房 職人募集のお知らせ

― 16代続く琉球の伝統を、次の時代へ ―

皆さんこんにちは。
いつも紅型を通して琉球の文化に関心を寄せていただき、心より感謝申し上げます。

私たち城間びんがた工房は、琉球王国の時代から約300年にわたり続く、伝統工芸の工房です。
現在、20名近くの職人が、それぞれの持ち場で技を磨きながら、琉球びんがたの着物づくりに日々取り組んでいます。

琉球は、古くからアジア各地と交流を重ね、多様な文化を受け入れてきた島。
その中で育まれた「びんがた」は、王族の衣装を彩り、沖縄の心を今に伝える伝統工芸です。
ひと筆、ひと刷毛に、先人たちの思いと誇りが息づいています。


終戦後レコード 薬莢など 手に入る廃品から染色道具を作りました
水洗いしたての 帯 着物
水洗い後に乾かしています

🪡 募集内容

今回は、びんがた制作の現場を支える「体を使う仕事」に携わってくださる方を募集しています。
主な作業は、水洗いや染色の準備など、体力を必要とする工程です。

派手な仕事ではありませんが、
作品を仕上げるために欠かせない大切な役割であり、
職人たちの技を支える“縁の下の力”となる仕事です。

毎日の積み重ねを大切にできる方、
手を動かしながら一つひとつを丁寧に仕上げることに喜びを感じる方に、
ぴったりの環境です。


🌿 働く環境

工房には20代から70代まで、さまざまな世代の職人が在籍しています。
それぞれが持ち味を生かしながら、互いに助け合い、教え合う風土があります。

また、**春と秋の年2回、工房主・城間栄市との「1対1の面談(ワン・オン・ワン)」**を行っています。
約30分〜1時間ほどの時間を取り、働く環境やものづくりへの考え方、日々の課題などを
ゆっくりと話し合う機会を設けています。
職人一人ひとりの声を大切にし、現場からのフィードバックを
工房づくりに活かす時間として続けています。

私たちは、“ものづくりを通して琉球の思いを守る”という理念のもと、
「明るく、仲良く、喜んで働く」ことを大切にしています。


💼 就業条件

  • 雇用形態:パート・アルバイト(希望・適性に応じて社員登用あり)
  • 勤務形態:週5日勤務(応相談)
  • 給与:時給制(平均的な勤務で手取り約16万円前後)
     ※経験・努力・技術の上達に応じて昇給あり
  • 社会保険・雇用保険:加入済み
  • 勤務地:那覇市首里山川町一丁目1-13(ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城 敷地内)

安心して長く働けるよう、働きやすい環境づくりにも力を入れています。


🤝 求める人柄

  • コツコツと真面目に仕事に取り組める方
  • 仲間と協力しながら、ものづくりを支えたい方
  • 技術を学び、丁寧な仕事を重ねていきたい方

仕事は決して楽ではありませんが、
努力の先に“自分の手で伝統を支える喜び”があります。


📅 募集期間

令和7年(2025年)11月8日 〜 令和8年(2026年)2月7日

※応募・お問い合わせは、公式ホームページ内の「お問い合わせ」フォームよりお願いいたします。


🌺 最後に

びんがたの仕事は、静かで、地道で、そして誇らしい仕事です。
一日一日の積み重ねが、300年の歴史を支えてきました。

手を動かし、心を込めて働くことに価値を感じる方――
その手と真心を、ぜひ私たちの工房で生かしてください。


朝の体操の様子

📝 工房のようす・コラム紹介

工房の日々の仕事風景や、職人たちの想いを綴ったコラムを
公式ホームページにいくつか掲載しています。
実際の制作の流れや職人の声を感じていただける内容ですので、
どうぞご覧ください。

🔗 城間びんがた工房 公式コラムページ
(URL:https://www.bingata.net/info_list/

たとえば、以下の記事もおすすめです:


LINE公式 https://line.me/R/ti/p/@275zrjgg

Instagram https://www.instagram.com/shiromabingata16/

公式ホームページでは、紅型の歴史や伝統、私自身の制作にかける思いなどを、やや丁寧に、文化的な視点も交えながら発信しています。一方でInstagramでは、職人の日常や工房のちょっとした風景、沖縄の光や緑の中に息づく“暮らしに根ざした紅型”の表情を気軽に紹介しています。たとえば、朝の染料作りの様子や、工房の裏庭で揺れる福木の葉っぱ、時には染めたての布を空にかざした一瞬の写真など、ものづくりの空気感を身近に感じていただける内容を心がけています。

紅型は決して遠い伝統ではなく、今を生きる私たちの日々とともにあるものです。これからも新しい挑戦と日々の積み重ねを大切にしながら、沖縄の染め物文化の魅力を発信し続けていきたいと思います。ぜひInstagramものぞいていただき、工房の日常や沖縄の彩りを一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。

城間栄市 プロフィール昭和52年(1977年)、沖縄県生まれ。

城間びんがた工房十五代・城間栄順の長男として育つ。

学歴・海外研修

  • 平成15年(2003年)より2年間、インドネシア・ジョグジャカルタ特別州に滞在し、バティック(ろうけつ染)を学ぶ。
  • 帰国後は城間びんがた工房にて、琉球びんがたの制作・指導に専念。

受賞・展覧会歴

  • 平成24年:西部工芸展 福岡市長賞 受賞
  • 平成25年:沖展 正会員に推挙
  • 平成26年:西部工芸展 奨励賞 受賞
  • 平成27年:日本工芸会 新人賞を受賞し、正会員に推挙
  • 令和3年:西部工芸展 沖縄タイムス社賞 受賞
  • 令和4年:MOA美術館 岡田茂吉賞 大賞 受賞
  • 令和5年:西部工芸展 西部支部長賞 受賞

主な出展

  • 「ポケモン工芸展」に出展
  • 文化庁主催「日中韓芸術祭」に出展
  • 令和6年:文化庁「技を極める」展に出展

現在の役職・活動

  • 城間びんがた工房 十六代 代表
  • 日本工芸会 正会員
  • 沖展(沖縄タイムス社主催公募展)染色部門 審査員
  • 沖縄県立芸術大学 非常勤講師

プロフィール概要

はじめまして。城間びんがた工房16代目の城間栄市です。私は1977年、十五代・城間栄順の長男として沖縄に生まれ、幼いころから紅型の仕事に親しみながら育ちました。工房に入った後は父のもとで修行を重ねつつ、沖縄県芸術祭「沖展」に初入選したことをきっかけに本格的に紅型作家として歩み始めました。

これまでの道のりの中で、沖展賞や日本工芸会の新人賞、西部伝統工芸展での沖縄タイムス社賞・西部支部長賞、そしてMOA美術館の岡田茂吉賞大賞など、さまざまな賞をいただくことができました。また、沖展の正会員や日本工芸会の正会員として活動しながら、審査員として後進の作品にも向き合う立場も経験しています。

私自身の制作で特に印象に残っているのは、「波の歌」という紅型着物の作品です。これは沖縄の海を泳ぐ生き物たちの姿を、藍型を基調とした布に躍動感をもって表現したものです。伝統の技法を守りつつ、そこに自分なりの視点や工夫を重ねることで、新しい紅型の可能性を切り拓きたいという思いが込められています。こうした活動を通して、紅型が沖縄の誇る伝統工芸であるだけでなく、日本、そして世界に発信できるアートであると感じています。

20代の頃にはアジア各地を巡り、2003年から2年間はインドネシア・ジョグジャカルタでバティック(ろうけつ染)を学びました。現地での生活や工芸の現場を通して、異文化の技術や感性にふれ、自分自身の紅型への向き合い方にも大きな影響を受けました。伝統を守るだけでなく、常に新しい刺激や発見を大切にしています。

最近では、「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」など、世界を巡回する企画展にも参加する機会が増えてきました。紅型の技法でポケモンを表現するというチャレンジは、私自身にとっても大きな刺激となりましたし、沖縄の紅型が海外のお客様にも響く可能性を感じています。

メディアにも多く取り上げていただくようになりました。テレビや新聞、ウェブメディアで工房の日常や制作現場が紹介されるたびに、「300年前と変わらない手仕事」に込めた想いを、多くの方に伝えたいと強く思います。