🌺 城間びんがた工房 職人募集のお知らせ
2025.11.08
🌿 城間びんがた工房 職人募集のお知らせ
― 16代続く技と誇りを、あなたの手で未来へ ―
こんにちは。
城間びんがた工房です。
私たちは、琉球王国の時代から今日まで、
約300年にわたり紅型を作り続けてきた工房です。
現在、20名ほどの職人が、着物・タペストリーなど、
さまざまな制作に携わっています。
紅型は「王族の衣装を飾った色と文様」であり、
琉球がアジアの海を越えて受け取ってきた文化の結晶です。
その色を出すためには、地味で手間のかかる仕事の積み重ねがあります。
しかし――
その積み重ねが、作品の力を決めます。
今回の募集は、
その“作品の土台を支える仕事”を担ってくれる方を探しています。


■ 募集内容
**紅型制作の基礎を支える「身体を使う現場仕事」**です。
具体的には
- 布を洗う
- 水場の作業
- 色差し
派手さはありません。
しかし、作品の仕上がりを左右する最も重要なポジションです。
紅型づくりは、
静かで地道で、そしてタフな仕事です。
けれどその分、
「自分が工房の一部を支えている」という実感が強くなります。
■ こんな方に来てほしい
- 体を動かす仕事にやりがいを感じる方
- 手を使う仕事、細かい作業が好きな方
- 伝統工芸を“本気で学んでみたい”と思う方
- 早起きや継続が得意、または身につけたい方
- 一つの道をコツコツ積み上げたい方
特に、
20代前半の男性で「工芸の世界に入る最初の一歩を探している方」には、最適な環境です。
工房では若手が増えつつあり、
年齢の近い先輩が一つひとつ丁寧に教えてくれます。
基礎から技を学べるので、経験は不要です。
■ 工房の働く環境と文化
私たちは、
「明るく・仲良く・喜んで働く」
活動指針を大切にしています。
特に次の取り組みは、若い職人からの評価も高いものです。
● 年2回の“1対1の面談”
工房主・城間栄市と、春と秋に必ず一度話します。
あなたがどう成長したいか、
現場で何を感じているかを共有する時間です。
「背中を見て覚えろ」だけではなく、
言葉で支える工房でありたいと考えています。
■ 役割のステップ
城間びんがた工房では、入ってすぐにすべてを任せるのではなく、
段階を踏んで仕事に慣れていける流れをつくっています。
① 最初の期間(色差し+週1〜2回の水洗い)
まずは指示に沿って行う色差しを中心に担当していただき、
同時に、週に数回は水洗いの工程にも入ってもらいます。
紅型の作業の流れや素材の扱いを体で覚える時期です。
② 適性に応じて専門工程へ
その後は、手の向き・集中力・リズムなどを見ながら、
それぞれに合った工程を任せていきます。
■ 水洗いの仕事について
水洗いは作品の仕上がりに責任を持つ重要な工程です。
難しさもありますが、
水の中で色が立ち上がる瞬間は、携わる者にしか見えない特別な光景です。








■ 誇りある仕事
あなたが洗った布、あなたが整えた染め場から、
300年続く紅型の色が生まれます。
派手ではありませんが、文化の根を支える仕事です。
■ 就業条件
雇用形態:パート・アルバイト
※適性に応じて正社員登用あり
勤務:週5日程度(応相談)
給与:時給制(平均的な勤務で手取り約16万円前後)
※上達・努力に応じて昇給あり
社会保険・雇用保険:加入済み
勤務地:那覇市首里山川町一丁目1-13
(ダブルツリーbyヒルトン那覇首里城 敷地内)
■ 最後に
紅型の世界は、
決して華やかではありません。
けれど、静かで、深くて、
素朴な喜びあります。
工房の空気は穏やかで、
互いに支え合いながら仕事を進める風土があります。
手を動かすことが好きで、
真面目に続ける力がある人なら、
必ず居場所があります。
300年続いた技を、
次の100年に届ける仲間として。
あなたの応募を、心からお待ちしています。


📝 工房のようす・コラム紹介
工房の日々の仕事風景や、職人たちの想いを綴ったコラムを
公式ホームページにいくつか掲載しています。
実際の制作の流れや職人の声を感じていただける内容ですので、
どうぞご覧ください。
🔗 城間びんがた工房 公式コラムページ
(URL:https://www.bingata.net/info_list/
たとえば、以下の記事もおすすめです:
- 「型紙と糊が織りなす紅型の物語」
- 紅型に宿る時の記憶——過去が未来を織りなし、今を染める
- 色に込められた祈り~紅型がつなぐ過去と未来~
- 「すり鉢 VS ミキサー!職人があえて昔ながらの方法を選ぶ理由」

LINE公式 https://line.me/R/ti/p/@275zrjgg

Instagram https://www.instagram.com/shiromabingata16/
公式ホームページでは、紅型の歴史や伝統、私自身の制作にかける思いなどを、やや丁寧に、文化的な視点も交えながら発信しています。一方でInstagramでは、職人の日常や工房のちょっとした風景、沖縄の光や緑の中に息づく“暮らしに根ざした紅型”の表情を気軽に紹介しています。たとえば、朝の染料作りの様子や、工房の裏庭で揺れる福木の葉っぱ、時には染めたての布を空にかざした一瞬の写真など、ものづくりの空気感を身近に感じていただける内容を心がけています。
紅型は決して遠い伝統ではなく、今を生きる私たちの日々とともにあるものです。これからも新しい挑戦と日々の積み重ねを大切にしながら、沖縄の染め物文化の魅力を発信し続けていきたいと思います。ぜひInstagramものぞいていただき、工房の日常や沖縄の彩りを一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。

城間栄市 プロフィール昭和52年(1977年)、沖縄県生まれ。
城間びんがた工房十五代・城間栄順の長男として育つ。
学歴・海外研修
- 平成15年(2003年)より2年間、インドネシア・ジョグジャカルタ特別州に滞在し、バティック(ろうけつ染)を学ぶ。
- 帰国後は城間びんがた工房にて、琉球びんがたの制作・指導に専念。
受賞・展覧会歴
- 平成24年:西部工芸展 福岡市長賞 受賞
- 平成25年:沖展 正会員に推挙
- 平成26年:西部工芸展 奨励賞 受賞
- 平成27年:日本工芸会 新人賞を受賞し、正会員に推挙
- 令和3年:西部工芸展 沖縄タイムス社賞 受賞
- 令和4年:MOA美術館 岡田茂吉賞 大賞 受賞
- 令和5年:西部工芸展 西部支部長賞 受賞
主な出展
- 「ポケモン工芸展」に出展
- 文化庁主催「日中韓芸術祭」に出展
- 令和6年:文化庁「技を極める」展に出展
現在の役職・活動
- 城間びんがた工房 十六代 代表
- 日本工芸会 正会員
- 沖展(沖縄タイムス社主催公募展)染色部門 審査員
- 沖縄県立芸術大学 非常勤講師
プロフィール概要
はじめまして。城間びんがた工房16代目の城間栄市です。私は1977年、十五代・城間栄順の長男として沖縄に生まれ、幼いころから紅型の仕事に親しみながら育ちました。工房に入った後は父のもとで修行を重ねつつ、沖縄県芸術祭「沖展」に初入選したことをきっかけに本格的に紅型作家として歩み始めました。
これまでの道のりの中で、沖展賞や日本工芸会の新人賞、西部伝統工芸展での沖縄タイムス社賞・西部支部長賞、そしてMOA美術館の岡田茂吉賞大賞など、さまざまな賞をいただくことができました。また、沖展の正会員や日本工芸会の正会員として活動しながら、審査員として後進の作品にも向き合う立場も経験しています。
私自身の制作で特に印象に残っているのは、「波の歌」という紅型着物の作品です。これは沖縄の海を泳ぐ生き物たちの姿を、藍型を基調とした布に躍動感をもって表現したものです。伝統の技法を守りつつ、そこに自分なりの視点や工夫を重ねることで、新しい紅型の可能性を切り拓きたいという思いが込められています。こうした活動を通して、紅型が沖縄の誇る伝統工芸であるだけでなく、日本、そして世界に発信できるアートであると感じています。
20代の頃にはアジア各地を巡り、2003年から2年間はインドネシア・ジョグジャカルタでバティック(ろうけつ染)を学びました。現地での生活や工芸の現場を通して、異文化の技術や感性にふれ、自分自身の紅型への向き合い方にも大きな影響を受けました。伝統を守るだけでなく、常に新しい刺激や発見を大切にしています。
最近では、「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」など、世界を巡回する企画展にも参加する機会が増えてきました。紅型の技法でポケモンを表現するというチャレンジは、私自身にとっても大きな刺激となりましたし、沖縄の紅型が海外のお客様にも響く可能性を感じています。
メディアにも多く取り上げていただくようになりました。テレビや新聞、ウェブメディアで工房の日常や制作現場が紹介されるたびに、「300年前と変わらない手仕事」に込めた想いを、多くの方に伝えたいと強く思います。