「心豊かに生きるためのものづくり」

皆さん、おはようございます。いつもブログを見てくださって、本当にありがとうございます。今日は、少しだけ私の思い出をお話しさせてください。

私は47歳ですが、この城間びんがた工房の建物ができたのは43年前、私がまだ幼い頃でした。当時、父が立ち上げた3階建ての工房の建設現場をぼんやりと眺めていた記憶が今も残っています。新しい工房ができ、私の子供部屋ができていく様子は、幼心にとてもワクワクしたものでした。

今でも、私にとって城間びんがた工房は、笑い声が絶えない明るい場所として心に刻まれています。首里には他の紅型工房も点在していて、帰宅の途中にいくつかの工房を通り過ぎるのですが、そこでは皆が静かに集中して仕事に打ち込んでいました。でも、工房が近づくと聞こえてくる笑い声が「ああ、家に帰ってきたな」とほっとさせてくれたものです。

中学、高校と成長するにつれて、「働く」ということについて考えるようになりました。仕事というのは厳しく、辛いものだと感じていましたが、私には城間びんがた工房がありました。そこは毎日笑顔が溢れ、職人たちが真剣に仕事に向き合い、互いに支え合う姿があって、ただ単純に「ここで働きたい」と思わせてくれる場所だったのです。

47歳になり、今は私がこの工房を引き継ぎ、責任を持って運営する立場になりました。思い返すと、あの頃の私が感じていた温かさや安心感、そして笑い声に包まれた日々が、今の私の原点になっているのだと気づかされます。こうして振り返ると、今も変わらず、私はこの場所を守り続けたいと強く思います。