「首里城風景」
2024.10.18
私たち、城間びんがた工房は、琉球の時代から続く沖縄の伝統工芸染め物「紅型」を作っている工房です。私自身は16代目ですが、「紅型」は琉球の王族の庇護のもとに育まれた技術です。しかし、祖父の時代に戦争があり、染色道具はすべて焼失してしまいました。祖父は、38歳で終戦を迎えたと言っていました。当時、焼け野原となった故郷では、私たちのシンボルである首里城が土台だけを残し、上の部分はすべて失われていたそうです。その故郷の景色を目にした祖父・栄喜が作った作品が「首里城風景」です。この画像にあるのが、その景色を描いた作品です。
私は工房の経営理念に「ものづくりを通して琉球の思いを守る。」という言葉を掲げました。この言葉には、時代ごとに苦労してものづくりを守り続けてきた祖先たちへの感謝の気持ちが込められています。



城間栄市 プロフィール
- 昭和52年 沖縄県に生まれる。城間びんがた工房15代 城間栄順の長男。
- 平成15年(2003年) インドネシア・ジョグジャカルタ特別州にて2年間バティックを学ぶ。
- 平成25年 沖展正会員に推挙。
- 平成24年 西部工芸展 福岡市長賞 受賞。
- 平成26年 西部工芸展 奨励賞 受賞。
- 平成27年 日本工芸会新人賞を受賞し、正会員に推挙される。
- 令和3年 西部工芸展 沖縄タイムス社賞 受賞。
- 令和4年 MOA美術館岡田茂吉賞 大賞を受賞。
- 令和5年 西部工芸展 西部支部長賞 受賞。
- 「ポケモン工芸展」に出展。
- 文化庁「日中韓芸術祭」に出展。
- 令和6年 文化庁「技を極める」展に出展。
現在の役職
- 城間びんがた工房 16代 代表
- 日本工芸会 正会員
- 沖展(沖縄タイムス社主催公募展)染色部門審査員
- 沖縄県立芸術大学 非常勤講師
- 沖縄大学 非常勤講師