No1 デザイン
デザインを考えるのは先生の仕事なので、僕はそこまで詳しくないのですが・・・完成度の高いデザインはすべての行程を熟知しないと
できない事と思います。
たぶん一番難しいと思います。軽いスケッチがそのまま紅型らしく仕上がるはずがなく、やはり高度な計算の上に現在の古典や
作品があると思います。
工程上切磋されていきながら完成するものも多いかもしれませんが、やはり紅型のあらゆる特徴を理解した上で決定される
ものがデザインだと思います。
No2 型彫り
通常型彫りは2枚の型紙を重ねて掘ります。紅型の特徴を活かすために突き彫りされます。
線を突きながら彫るため、引き彫りとくらべ相当な時間がかかります。型彫りは言えば型紙作りなので相当な気を使います。
なにわともあれここからすべてが始まるので油断できません。柄の表情はもちろんのこと、型置きの際の柄送り、糊のつき具合をも左右します。
きれいな曲線、直線を生み出すためには相当のスキルが要求されます。
No3 型置き
作品の出来を最終的に左右する行程です。ここでの柄のズレ、柄つぶしは取り返しがつきません。
この行程はまず使用する糊からこだわります。基となる糊の調合が肝心で、少しでも調合が変わると全他的に大きな変化をもたらしかねません。
糊は1回目の水本まで生地に付着している状況が続きます、時間が経つと腐食します。このため湿度などを過敏に計算せざるをえません。
とは言え気まぐれな天気に100%対応しきることは不可能ですが・・・
それでも、その後の行程進捗を慎重に計算しながら行います。
糊を置く前にまずは生地を型板に張っていくのですが、この際もまっすぐ張れなかったりすると、柄がずれたりします。
しかも、生地を張る際はどんな生地でも繊維(横糸)を大体まっすぐになるようにしながら張っていきます。
それから、反物で上下のある柄を置く場合はしみ打ちしてから、型を置いていきます。
型の上からでも糊が均一に降りるよう、ヘラの動かし方、力加減に気を配ります。
その際にも糊の堅さ加減で柄が潰れたりするので、型紙の特性を見極めた上で糊の堅さ加減を調整する必要があります。
No4 豆引き
型を置き終わった生地に、大豆の汁から出来た液を引きます。
引き染めでいう、地入れの様な物です。
これにより、生地にタンパク質が付着、より顔料の定着を促します。
また豆汁に、にじみ止めとなる卵白質系の物を加える事により、顔料のにじみを防ぎます。
この工程が雑だと、無地場部分等がムラになったり、顔料が入りにくかったりします。
最終的な顔料の発色具合もココで決まってしまう程、重要な工程です。
No5 色挿し
色挿しには、鉱物性の顔料を微粒子化させた物を使用します。
基本となるいくつかの微粒子化させた顔料を組み合わせ、様々な色を出します。
その色を豆汁で溶き濃度等を調整します。
豆汁で溶く為作ったその色は、もって2日です。大豆が植物性の物なので、日が経つと腐ってしまいます。
その為、色を作った今日明日で塗り終える量を計算しながら作る必要があります。
なので、同じ柄の作品でも、全く同じ色目はあり得ません。
すべてが一点ものと言えます。
そうして出来た色を2本の筆を駆使しながら配色していきます。
1本は塗り筆、もう一つは擦り筆です。
塗り筆で柄に色を着け、その直後にならすように擦り筆で擦ります。
擦る理由は、顔料を生地の奥深くまで浸透させる為です。
色の着け具合、擦り具合によって色目が変わるため、1色は大体1人でこなします。
誰でも出来そうな工程ですが、この次の、隈取りや、糊伏せまで考えながらの工程なので、実に奥深い工程です。
この時点でぼかす技法もあります。このぼかし作業は熟練の技を要します。
No6 隈取り
色挿しが 終わった柄に、立体感をつける為にぼかしを入れて行く作業です。
ココでは、習字の筆で色挿しの際の色より若干濃いめの色をつけ、それを手作りの筆で擦りながらぼかして行きます。
このぼかし筆が人毛から作られた物です。(
若い女性の髪の毛が良いとされています。)
動物の毛だと堅すぎて上手くぼかせませんし、色を摩擦でダメにしてしまう危険性もあるからです。
製作中